category: 詩人
DATE : 2009/03/24 (Tue)
DATE : 2009/03/24 (Tue)
コトバによる表現に関心を持ち始めてから、誰もが教科書で読んだことがあるであろう中原中也をイメージして、詩集などを本屋で眺めたことがあった。
その当時以降、買い求めた思潮社の「現代史文庫」のシリーズは今でも本棚に何冊か並んでいる。
その時期と前後して、周囲の人達の影響で「高田渡」の存在を知った。教えてくれた人は、ギターをジャカジャカ、自衛隊へ入ろ~♪ と歌ってくれた。
・・・現代詩と高田渡、知ってる人には当然のように馴染み深い組み合わせ。当時の自分には衝撃的な組み合わせ。そして知ったのは、詩人・山之口獏。
高田渡がその詩を多く取り上げた中でも、タイトルからしてすでにユーモラスな「頭を抱える宇宙人」。
1976年に発表されたアルバム 「FISHIN’ON SUNDAY」に、この曲は収録されている。
頭を抱える宇宙人
青みがかったまるい地球を
眼下にとおく見おろしながら
火星か月にでも住んで
宇宙を生きることになったとしてもだ
いつまで経っても文なしの
胃袋付の宇宙人なのでは
いまに木戸からまた首がのぞいて
米屋なんです と来る筈なのだ
すると女房がまたあらわれて
お米なんだがどうします と来る筈なのだ
するとぼくはまたぼくなので
どうしますもなにも
配給じゃないか と出る筈なのだ
すると女房がまた角を出し
配給じゃないかもなにもあるものか
いつまで経っても意気地なしの
文なしじゃないか と来る筈なのだ
そこでぼくがついまた
かっとなって女房をにらんだとしてもだ
地球の上での繰り返しなので
月の上にいたって
頭をかかえるしかない筈なのだ
山之口獏 詩集「鮪に鰯」 昭和39年発表
鮪に鰯―山之口貘詩集 (1972年)
山之口貘詩文集 (講談社文芸文庫)
FISHIN’ON SUNDAY
その当時以降、買い求めた思潮社の「現代史文庫」のシリーズは今でも本棚に何冊か並んでいる。
その時期と前後して、周囲の人達の影響で「高田渡」の存在を知った。教えてくれた人は、ギターをジャカジャカ、自衛隊へ入ろ~♪ と歌ってくれた。
・・・現代詩と高田渡、知ってる人には当然のように馴染み深い組み合わせ。当時の自分には衝撃的な組み合わせ。そして知ったのは、詩人・山之口獏。
高田渡がその詩を多く取り上げた中でも、タイトルからしてすでにユーモラスな「頭を抱える宇宙人」。
1976年に発表されたアルバム 「FISHIN’ON SUNDAY」に、この曲は収録されている。
頭を抱える宇宙人
青みがかったまるい地球を
眼下にとおく見おろしながら
火星か月にでも住んで
宇宙を生きることになったとしてもだ
いつまで経っても文なしの
胃袋付の宇宙人なのでは
いまに木戸からまた首がのぞいて
米屋なんです と来る筈なのだ
すると女房がまたあらわれて
お米なんだがどうします と来る筈なのだ
するとぼくはまたぼくなので
どうしますもなにも
配給じゃないか と出る筈なのだ
すると女房がまた角を出し
配給じゃないかもなにもあるものか
いつまで経っても意気地なしの
文なしじゃないか と来る筈なのだ
そこでぼくがついまた
かっとなって女房をにらんだとしてもだ
地球の上での繰り返しなので
月の上にいたって
頭をかかえるしかない筈なのだ
山之口獏 詩集「鮪に鰯」 昭和39年発表
鮪に鰯―山之口貘詩集 (1972年)
山之口貘詩文集 (講談社文芸文庫)
FISHIN’ON SUNDAY
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